LDLコレステロールを下げたい
🫀 脂質異常症(LDLコレステロール)が気になる方へ
健康診断や人間ドックで、突然「LDLコレステロールが高い」「脂質異常症です」と言われると、多くの方が驚かれます。
そしてほとんどの方が同じような疑問を抱きます。
「何をどう気をつければいいの?」
「すぐ薬になるの?」
「薬は一生飲まないといけないの?」
「食事制限をしているのに数値が下がらないのはなぜ?」
この不安は決して珍しいものではありません。
そして、その不安が誤解されて“相談しづらさ”につながってしまうこともあります。
薬を避けたくて受診を遠ざけたり、食事の自己流の制限でストレスが溜まったり、ネットの情報で迷子になってしまう方も少なくありません。
私たちが伝えたいのは、とてもシンプルなことです。
脂質異常症は
正しい知識と継続できる生活改善によって大きく改善が期待できる病気です。
多くの患者さんが「LDLが下がるとは思っていなかったのに、これだけ変わるのか」と驚かれます。
“食べない・我慢する”のではなく、身体の仕組みに合わせた食べ方や生活の整え方で、化学的に・生理学的にLDLが改善するのです。
🔹 脂質異常症を放置してはいけない理由
脂質異常症は痛みも息苦しさもだるさもありません。
そのため「本当に悪いの?」「何も感じないけど?」と思ってしまうのは自然です。
しかし、血管の内側では静かに変化が進み、
LDLコレステロールは時間をかけて血管の壁に入り込み、炎症を起こして動脈硬化を進行させます。
この動脈硬化が一定以上進むと、
心筋梗塞・狭心症・脳梗塞・心不全といった命に関わる病気を引き起こす可能性が高くなります。
つまり、脂質異常症とは
「症状が何もないうちに静かに進行する未来の病気の種」
なのです。
だからこそ、
“症状が出てから治療する”のではなく、症状がないうちにコントロールすることが非常に大切です。
🔹 なぜ生活改善で変えられるのか
コレステロールは食事から吸収されると思われがちですが、実は食事からのコレステロールは全体の2〜3割にすぎません。
残りの7〜8割は肝臓が作っています。
つまり
「肝臓のコレステロール代謝が正しく働いているかどうか」がLDLの行方を決めるポイントです。
肝臓は LDLコレステロールを材料にして胆汁を作ります。
胆汁は腸で脂肪を消化するのに使われ、通常その大半が再び肝臓に戻ります(腸肝循環)。
ここまでは問題ありません。
しかし、再吸収される胆汁が多すぎる体質の方の場合、
肝臓は「十分胆汁が戻ってきている。新しく作らなくて良い」と判断します。
すると
血中のLDLを消費しなくなり、LDLが下がらなくなるのです。
反対に、腸で胆汁が便として排泄される量が増えると、
肝臓は「新しい胆汁を作らなければ」と判断します。
その時に材料として血液中のLDLを引き込みます。
結果として血中LDLが減ります。
そして、胆汁の排泄を増やすカギになるのが
水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は腸で胆汁を吸着し、そのまま便として排泄する作用を持っています。
だから オートミール・海藻・豆類・きのこなどの食物繊維がLDL改善に有効なのです。
「食物繊維は腸のため」だけではありません。
胆汁の排出 → 肝臓でのLDL再取り込みという代謝を促すためのものでもあります。
🔹 LDLの「目標値」について
治療の上で「どこまで下げれば良いか」はとても重要です。
一般的には以下が目標とされています👇
LDLコレステロールは 140〜120 mg/dL 以下を目指す
一方で、特に心血管リスクが高い方では、さらに低い数字を目指す必要があります。
数字の改善とともに
体調変化、疲れにくさ、生活の質の向上
といった変化を一緒に見ていくことを当クリニックは大切にしています。
🔹 生活改善でLDLが下がりやすくなる“コツ”
食事を減らす・好きな物を我慢する必要はありません。
LDLが下がりやすい身体の状態をつくることが重要です。
下がる人の共通点は👇
●「脂の量」ではなく「脂の種類」を工夫している
● 食事量ではなく「食べ方の順番」を整えている
● 糖質をとるタイミングを改善していく
● “食物繊維を毎日一回”取り入れている
● 20分の運動より“日常の活動量”を増やしている
難しい工夫ではなく、
ストレスにならず続けられる習慣が改善の土台です。
🔹 生活改善だけでは下がらない方もいます
食事でLDLが大きく改善する方もいれば、変化が乏しい方もいます。
これは“性格”や“努力”の問題ではありません。
生物学的な背景の違いです。
遺伝的に肝臓がコレステロールを多く作る体質の方がいます。
また、家族性高コレステロール血症の場合は、
生まれつきLDL受容体の働きが弱く、食事の影響を受けにくいことがあります。
さらに
胆汁の再吸収が非常に強い体質
甲状腺機能の問題
加齢やホルモンバランスの低下
動脈硬化が既に進行している状態
なども関係します。
つまり、
食事で下がらないのは頑張っていないからではなく、身体の仕組みの問題
ここが非常に重要です。
だから責める必要も、落ち込む必要もありません。
必要なのは“体質に合った方法”です。
🔹 薬に抵抗がある方へ ― 本当に大切な視点
薬を飲みたくない気持ち。
できれば生活で改善したい気持ち。
その気持ちは当然のものです。
当クリニックも生活改善の余地がある限り生活改善を優先します。
しかし一番避けるべきなのは
LDLが高いまま長期間放置されること
薬を避けることが治療の目的ではありません。
LDLコレステロールを適切な範囲にコントロールすることが目的です。
生活改善で下がる人 → 生活で改善すれば理想
生活改善だけで下がらない人 → 薬を使う方が身体を守れる
薬は「最後の手段」ではなく、
必要なタイミングで使うことで未来の心臓や血管を守る治療です。
もちろん、処方の際は
メリット・デメリット・副作用・中止のタイミングなども含めてしっかり説明し、
患者さまと一緒に治療方針を決定します。
💊 大切なお知らせ(薬物治療について)
ここで、脂質異常症における薬物治療について、とても大切なお話があります。
生活改善で十分な改善が見込める方には、当然薬は必要ありません。
実際、多くの方は食事・生活リズム・身体活動の調整によってLDLを健全な範囲へ導くことができます。
そのため当クリニックでは、薬に頼らず改善できる部分をできるだけ大切にし、生活で整えられるチャンスをしっかり活かしていただくことを重視しています。
一方で、すべての方が生活改善だけで十分にLDLが下がるとは限りません。
特に 心臓や血管の病気を過去に経験されている方、糖尿病・高血圧・喫煙・家族歴などのリスク因子を複数お持ちの方、LDL値が非常に高い方、あるいはすでに動脈硬化や合併症が疑われる方では、生活改善のみを優先し続けることが、かえってご本人の健康に不利益となってしまう可能性があります。
医学的に明らかになっているのは、こうした場合には
生活改善よりも、薬物治療を早期に開始・強化したほうが、心筋梗塞・脳梗塞・心不全といった重大な疾患のリスクを大幅に減らすことができるということです。
つまり、薬は“避けたい存在”ではありません。
使うべきタイミングに正しく使うことで命を守る治療であり、未来の健康を支える強い味方です。
薬を飲むことがゴールではなく、薬を適切に使うことで LDLを安全域に保つことがゴールです。
🔹 当クリニックの目指す方向
インターネットや本、テレビ、SNSでは、コレステロールを下げるための情報が大量に発信されています。
「これを食べると良い」「これを避けるべき」「このサプリが効く」「この運動が必要」といった情報は簡単に手に入ります。
最近ではAIや動画解説でも“正しい情報”を得ることは容易になりました。
しかし、脂質異常症で本当に重要なのは、
どれだけ知識を持っているかではありません。
その知識を、自分の生活に無理なく落とし込めているか——です。
例えば、
「夜遅い糖質がよくない」という情報を知っていても、
夜遅くに帰ってきて夕食がその時間にしか取れない生活の人に、
ただ「夜は糖質を控えてください」と言っても続きません。
「オートミールが良い」という情報を知っていても、
オートミールが口に合わない人に同じ指導をしても改善は続きません。
つまり、“正しい情報を知っている”ことと、
“現実の生活の中で実行できること”には大きな差があるのです。
LDLが改善していく方のほとんどに共通しているのは、
“自分に合った方法”にカスタマイズできているという点です。
ここで影響してくるのが、
・性格(計画的・感覚派・慎重・飽きやすい・こだわりが強い など)
・食の好み(和食・洋食・甘い物・揚げ物・パン派・麺派 etc)
・生活リズム(勤務時間・夜勤・ワンオペ育児・単身赴任 etc)
・家族の協力が得られるかどうか(家族の料理の習慣や付き合い方)
・仕事の忙しさ・休みの取り方・職場の人間関係
・ストレスの多さと解消法
・継続できる環境があるか(誘惑・習慣・思考の癖など)
これらの背景が少しずつ違うだけで、
「何が続けられるか」「何が負担になるか」が大きく変わります。
たとえば
🍚 ご飯が大好きな人 → ご飯を0にするより“昼を多め・夜を軽め”の調整が続きやすい
🍞 パンが好きな人 → 「パンをやめる」ではなく“パンの種類の選び方”の方が改善しやすい
🍜 外食が多い人 → 「減らす」より“メニューの選び方の軸を作る”方が続く
🍫 甘いものが好きな人 → 「我慢」より“タイミングと量の工夫”で満足度を保ちながら改善
🍺 お酒をやめられない人 → 「禁酒」ではなく“週の配分とおつまみの質”の見直しの方が成功率が高い
さらに「やる気」にも個性があります。
計画を立ててコツコツ進める方もいれば、
ルールを決めすぎるとかえって苦しくなる方もいます。
性格によっては
「数字が落ちてくる感動がモチベーションになる人」もいれば、
「義務感が強くなると嫌になる人」もいます。
LDLを下げる食事や生活習慣は、教科書通りの一枚の正解ではありません。
その人の性格・家庭・仕事・食生活・時間帯・ストレスにフィットしたプランが“正解”になるのです。
だから当クリニックは
「教えるだけ」でも
「薬に寄せるだけ」でもありません。
患者さま一人ひとりと向き合いながら、
体質 × 生活背景 × 好み × 性格 × 続けやすさ の“交点”を見つけることを重視します。
私たちが目指すゴールは
「ルールを守る患者さん」になることではありません。
それは苦しさが溜まり、どこかで破綻してしまいます。
目指すのは
「これは続けられる」
「無理してないのに変わっていくのが嬉しい」
「結果が出るから楽しい」
と実感しながら、
生活の中で自然に改善が積み重なる状態です。
LDLコレステロールの治療は
ただ数字を下げることが目的ではなく、
未来の血管・心臓・脳・人生の健康を守るための取り組みです。
そのため、人生の中で無理なく続けられる方法こそが最大の武器になります。
当クリニックは
“続けられるから成果が出る”という改善ルートに導くことを何より大切にしています。
患者さまが「この治療、嫌じゃない」「むしろ心地よい」と感じられることが、改善のスタートラインです。
🔥 一緒に未来の血管を守りましょう
薬の前に生活改善をしっかり試したい方も、
薬が必要かどうか相談したい方も、
どちらも大歓迎です。
脂質異常症は コントロールできる病気です。
将来の心臓と血管の健康を守るために、ぜひ当クリニックを頼ってください。
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