てつのはーとちゃん 鉄平先生にいろいろ聞いてみた ~第6話 ホルター心電図という検査~
「ホルター心電図ってなんですか?」
「ホルター心電図は胸に小さな機械を張り付けて、心臓からの電気信号を継続して記録する検査だよ。24時間から、最近では5日間や14日間もの電気信号を記録することが出来るんだ。」
「え、そんな長い時間、日常生活を制限させられたら辛いんですけど」
「ホルター心電図をしている間は特に活動の制限はないよ。仕事をしてもいいし、外出してもいい。ただ入浴は出来ないことと、体同士がぶつかる競技は胸に付けた機械が壊れちゃうかもしれないから避けた方がいいね」
「仕事や学校に行ってもいいんですね」
「ホルター心電図の利点は、どんな不整脈が、どのくらいの頻度で出ているのかが分かることだね。不整脈の種類と頻度によって、治療をした方が良い不整脈なのか、様子を見ていて良い不整脈なのかが分かるんだ。」
「様子を見ていい不整脈があるんですね」
「そもそも健常な人でも、不整脈がまったくでない人はほとんどいないんだ。不整脈が多少出たとしても、違和感として感じていなかったり、気にしなかったりしていることが多いんだ」
「どのくらいから治療するんですか?」
「これは人それぞれだね。例え不整脈の頻度が少なくても、不整脈に伴う動悸症状が強くて、患者さまが生活に困っているなら治療に進む必要はあると思うよ。ストレスや寝不足、アルコールなどでも不整脈は誘発するから、生活習慣の調整から、場合によっては薬物治療も考えていくよ。」
「動悸症状があまりなければ、治療は必要ないですか?」
「これもそれぞれだね。不整脈に対して症状が乏しくても、不整脈が高頻度で起きていると心臓の機能が低下するとも言われているから、心臓の機能をチェックしながら治療適応を判断するよ」
「心臓の機能が下がることもあるんですか!?」
「ただ不整脈の頻度が多い場合は、不整脈の治療も大事だけど、何で不整脈が多く生じてしまう心臓なのかというところを調べることが大事だね。狭心症や心筋症などの心臓の病気の存在を疑ったり、体の電解質異常やホルモン異常がないかを探り、病気があったらその治療を行っていく必要があるよ」
「その時は心臓超音波検査や採血検査などの追加検査を行っていくんですね」
「そのとおり。」