てつのはーとちゃん 鉄平先生にいろいろ聞いてみた ~第2弾 5話 動悸はどうやって調べる?~
「先生、この前『動悸』の患者さまにもいろいろ聞いていましたね。なにを聞いていたんですか?」
「循環器内科をしていると『動悸』の患者さまをよく診るね。そもそも動悸ってなんなんだろう?」
「え、動悸と言ったら不整脈で心臓がドキドキすることですよ」
「そうだね。ドキドキと心臓の拍動を『違和感』として感じることが動悸なんだ。だから不整脈が出ていない正常な脈でも違和感として感じれば動悸となるんだ」
「じゃあ不整脈が起きてなくても動悸って感じるですか?」
「そうだよ。だから動悸=心臓の病気というわけではないんだよ」
「じゃあ我慢できる範囲の動悸なら、循環器クリニックにかからないでもいいですね」
「いやいや、今感じている動悸が危ない動悸なのか、危なくない動悸なのか。その判断が重要だよ。そのためにはやっぱり専門家に診てもらう必要がある。その判断に必要なのが、、、」
「心電図ですね!」
「そう♪心電図をみることによって患者さまの心臓が電気的に安定している状態なのか、不安定な状態なのかが分かるんだ。」
「電気的に安定?」
「心臓は電気で動いているんだ。だから心臓の中には電気が伝わる回路があるし、心臓の筋肉自体にも電気が規則正しく流れるようになっている。この回路の流れが悪かったり、正常とは違う別の回路に電気が流れていたら、とても不安定だよね。もちろん不整脈も出やすいし、動悸の原因になる。」
「なるほど。心臓に異常な回路があることが心電図の一枚で分かるんですね。さすが循環器の専門家!」
「すごいでしょ♪ と言いたいけれど、残念ながら心電図1枚で診断できる病気は限られるんだ。異常な電気回路によって不整脈が起きていて、今まさに動悸があるという状態での心電図なら多くの病気を診断できるのだけれど、動悸が止まっている、不整脈が止まっている時だと心電図は正常で問題ないことがほとんどなんだ。」
「なんだか『胸痛』のときもそうでしたが、心電図って結局分からないってことが多いですね。」
「そうだね。だからさらに踏み込んだ検査にすすむ必要があるんだ。それは動悸症状が出るまで、ずーーっと心電図検査をする方法でホルター心電図っていう方法だね。」
「ホルター心電図!?」