てつのはーとちゃん 鉄平先生にいろいろ聞いてみた ~第4話 朝方に胸が痛くなる狭心症?~
「先生、もう狭心症は完璧です♪しっかり問診で見極められます。」
「それはよかった。でもほんとに見極められるかな?」
「大丈夫ですよ。運動すると悪くなる胸の痛みで、休むと良くなる。これが特徴ですよね。」
「確かにそうなんだけど、ちょっと変わった狭心症もあるんだ。冠攣縮性狭心症という病気だね」
「なんですか、それ!?」
「運動とは関係なく、休んでいるときに胸が重ぐるしくなる狭心症だよ。」
「休んでいる時にですか!?」
「そう、特に朝方や夜間の寝ている時に、胃もたれや食道炎のように胸が重ぐるしくなるんだ。休むと比較的早く症状が無くなる一般的な狭心症とは違って、比較的長く胸の症状が続く特徴があるんだ。水を飲んだりすると症状が軽くなったりするよ」
「なんでそんなことが起きるんですか」
「一般的な狭心症は動脈硬化によって血管の中が狭くなって起きる。一方で冠攣縮性狭心症は、血管の中は狭くなっていないのだけれど、自律神経のバランスによって (副交感神経が優位)心臓の血管である冠動脈がキューーとかってに縮こまってしまうことによって起きるんだ」
「かってに縮まっちゃうんですか!?」
「そう!この病気は高血圧や脂質異常症、糖尿病などによる動脈硬化が高度に進んでいなくても起きる可能性がある。なので動脈硬化による病気が進行している可能性が低い30代から40代の年齢の方にも起きる可能性があることが注意点だね」
「え!?若い方でも起きるんですね」
「そう!だから胸痛症状があっても、若いから大丈夫と考えてしまったり、ストレスによる胃炎かなと思ってしまったりして、見逃されてしまっているケースがあるんだ」
「冠攣縮性狭心症は一般的な狭心症と同じように怖い病気なんですか?」
「冠攣縮性狭心症はお薬による内服治療でコントロールすることが可能だよ。ただ重症の方は、血管が強く縮まりすぎてしまって、心筋梗塞になってしまうケースがあるんだ。だからちゃんと診断して治療にすすみ、病気のコントロールをしっかりつけることが大事なんだ。」
「胸痛があったら、一度循環器の専門家に相談することが大事ですね」