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てつのはーとちゃん 鉄平先生にいろいろ聞いてみた   ~第2話 胸痛は早めの相談が大事~

「先生、運動するとモヤーっと重ぐるしくなって、休むとスーッと良くなる胸の痛みが危ない胸痛の特徴なんですよね?」

「狭心症による胸痛の特徴だね。」

「でもやっぱり胸の痛みが治まっちゃたらクリニックに行きづらいですよ!」


「え、どうして?」


「だって良くなっているならわざわざ病院に来るな!って怒られそうですもん」


「そんなことはないよ。むしろそのタイミングでクリニックに来てもらうことが大事なんだよ。」

「そうなんですか?」


「狭心症は、心臓の筋肉を養っている冠動脈という血管の流れが悪くなって起きる病気なんだよね。」

「動脈硬化によって血管の流れが悪くなるんですよね」


「そうだね。動脈硬化によって血管内にプラークというものが出来て、血管の流れが悪くなるんだ。水道管が脂によって詰まりかかっているイメージだね。」
「運動をすると心臓はいっぱい動くから、心臓の筋肉に多くの血液が必要になるのだけれど、動脈硬化を起こしている冠動脈は流れが悪いから、血液を十分に送れなくて、心臓の筋肉が血液不足になる。その時に胸痛の症状が出るんだ。ただ休むと、心臓が必要とする血液量は減るから胸痛症状は無くなるんだ。」

「そうですね」


「このタイミングで冠動脈の治療を行って、血液の流れを良くできたら、心臓の筋肉は元気のままでいられる。冠動脈にステントと言われる金属の筒を入れるカテーテル治療、『PCI』という治療を行うのだけれど、2-3日の入院で終えられるよ。」

「ずいぶん短いんですね」


「でも、治療タイミングが遅れると大変なことになる。冠動脈に付いているプラークが血管を詰めてしまい、血液が流れなくなってしまうんだ。そうなると心臓の筋肉が壊れだしてしまう。」


「心臓が壊死してしまうってことですか!?」


「血液はほとんど流れないから、安静にしても胸痛は続く。この状態が心筋梗塞なんだ。心筋梗塞は心臓の筋肉をどんどん壊していくので、どんなに早く治療を完了させても、心臓の筋肉には障害が残ってしまう。その結果、生涯にわたり心不全や不整脈のリスクを抱えないといけなくなってしまう場合もあるんだ。PCI治療にかかる日数も2-3週間の入院と長くなってしまうんだよ。」

「狭心症のタイミングで治療するか、心筋梗塞になってから治療するかでずいぶん違うんですね。」

「そう。だからこそ、休めば症状が治まってしまう狭心症のタイミングで治療に進みたいんだ。気になる胸痛症状があれば気軽に相談に来てほしいね。」

「そうなんだ。まず相談することが大事だね。」