てつのはーとちゃん 鉄平先生にいろいろ聞いてみた ~第1話 胸痛~
「先生、今日胸痛の患者さんが来てましたよね。」
「そうだね」
「なんか色々聞いていましたよね。どのあたりが痛いのか?とか、どういう状況で痛くなるのか?とか」
「胸痛の特徴を聞くことで、心臓の病気による胸痛、特に狭心症かどうかが分かるんだよ。
心臓が原因で胸が痛い場合はどこが痛いと思う?」
「それは胸の左側がズキズキ痛むでしょ!」
「全てではないけど、主に胸の真ん中や胃のあたりがモヤーっと重ぐるしくなるというのが典型例だね。」
「え!?それは胃もたれですよ、先生!」
「実は心臓、つまり狭心症による症状なのに、胃もたれとおもって見過ごされてしまうケースは多いんだよ」
「じゃあ先生はどう見分けるんですか?」
「心臓による症状を出やすい状況の時に胸痛が起きているのかどうかを判断するのが大切だね。心臓による症状が出やすい状況ってどういう時だと思う?」
「う~~ん、心臓が頑張っているときかな?運動している時とか?」
「そう!運動をした時に胸痛が出て、休むと良くなる!これが心臓による胸痛、狭心症を疑う特徴だね。階段を上る、駆け足などの運動をした時に、胸の真ん中あたりが重ぐるしくなりながら、ちょっと休むと数分でスーッと胸の症状が無くなる。これが典型例だね。」
「ふ~ん、心臓の病気の場合は良くなることが無いと思っていたけど、休むと良くなっちゃうんだね。良くなっちゃうと、まあいいや、と思っちゃうけど、病院受診をしなくちゃいけないの?」
「絶対受診した方が良い!休んだら良くなるレベルで治療ができれば、治療後も元気なまま過ごせるけど、治療が遅れるほどに元気に過ごすことが難しくなる。
病気が進行すると、休んでも胸痛が良くならないという心筋梗塞という状態に変わっていくけど、心筋梗塞になってしまうと長期の入院が必要になり、退院後も昔のような元気な生活が難しくなってしまうんだ。」
「そうなんだ。でも、今日先生の話を聞いたから、心臓による胸の痛みかどうかはもう自分で分かるから大丈夫だね♪」
「そう単純だと良いんだけどね。今話したのは、心臓による胸痛の典型例であって、もちろん非典型例もある。患者さまからのお話を聞くだけでは診断することは難しいんだ。
だから採血をしたり、心電図を行ったり、心臓超音波検査を行ったりして色々な角度から心臓を調べるんだよ。胸痛症状の特徴だけで判断できるわけではないことは知っておこう」
「そうなんだ。なかなか難しいね。勉強になったよ。」